映画館に行くまいか迷いながらスルーしてしまった「クローバーフィールド」。もうレンタル解禁されてたので借りてきました。パニック映画は実は結構好物です(ありすぎて観るのを迷う)。「SF」じゃなくてこっちに分類されてる限りある程度リアリティのあるものが好きで(パニックものにリアリティを求めるのも無茶な話ですよね)ネイチャー系だとまだ多少あるから楽しめるんですけどモンスター系になると…
という所でこの作品がやってくれましたね。ハンドカメラの撮影に見せかけた手ブレ(実際スクリーンで観たら酔ってたかも)で民間人の視点を見事に表現。だから見切りも多いし巨大生物の映り込みもほとんど部分的であり、臨場感たっぷり。一番気がかりだった生物の造形に関しても違和感無く見られた。撮影部分でコストダウンを図ったという話をどこかで聞いたけれど手抜き間を微塵も感じさせないのは高度な合成技術のおかげだろうか。
構成はひたすら「事件」の一部を収録したテープを流すだけなので、事後含め細かい部分が全く語られてない事とかそもそも撮影の仕方が巧すぎる事とかも気にはなりますけど、前半20分のダラダラした日常風景(人物相関をちゃっかりここで済ませる)からの急展開だったり、テープに部分的に残った重ね録りする以前の映像から感情移入を誘ったりと意表を突くアイデアが生んだリアリティがそれに勝る。
ある種、矛盾をぶっ壊したモンスターパニック映画の理想形なんじゃないかなと思います。とりあえずDVD購入は決意しました。続編あるらしいので劇場で見るぞー