凄まじい創作意欲
Bloc Party - Intimacy
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セカンドアルバムからわずか一年半でこのクオリティをさらっと作り上げる。心底恐ろしく、しかもこれが理想的な3作目だ。ギターを中心に展開されるフロア型ポストロックを確立した1stアルバムと、ミニマルなエレクトロを幾層にも散りばめた2ndアルバムの両方でヒットを記録した彼ら。今回はその両方のアルバムに携わったプロデューサーを招集し両者の長所を活かすことに成功した集大成であり、そのバランスを模索しているかのような実験的な内容である。
ChemicalBtrothersの「Setting Sun」直系?(これが激似で笑える)の「ARES」やホーンを取り入れた「Mercury」、ギターレスの「SIGNS」などは新しい試み。ギターのコントラストが至るところで格段に際立ってきている裏では打ち込みのような正確なビートが刻まれている。ギター系と打ち込み系どちらをやりたいのかがわからない作品なのではなく両者が折り重なってこそBlocPartyのサウンドであるという主張が見えて、今作で彼らが示したい方向性は「ONE MONTH OFF」「TALONS」あたりで実を結んでいるのではないかと思う。
一曲単位が実験的な印象なのでアルバムを通したときのバランスこそ良いとは言えませんが、これは敢えてイメージを固定させないよう意図したという話も。Up⇔Downを繰り返す展開がそこを上手くカバーしている気がするし非常に聴いていて面白く飽きが来ない。聞き込んでいけば間違いなく最高傑作級。